集中工事とは、NEXCO中日本が行う大規模な工事体制のことです。本来は一つの規制で一つの工事を行いますが、
集中工事では大きな(長い)規制の中で複数の工事を同時に行ってしまう工事体制になります。
複数の工事を一定期間に集中的に行うことになり、日々の規制箇所を減らすことで渋滞の発生回数を抑えることができます。
集中工事は昼夜間の連続規制になり、作業員・警備員も24時間体制になります。
2~3ヶ月前から週に一度のペースで、NEXCO中日本と集中工事に参加する元請けが集まって打合せを行います。集中工事に参加する工事の元請けが、どこでどのような工事を行うのか、それらの工事箇所が重なる部分が無いかなどの調整をしたりします。
また、工事に必要な車両の台数や作業員の人数も、普段の工事とは比較にならないほど多くなります。
そのため、参加する車両や作業員も無制限に工事現場への出入りを認めるのではなく、全て登録制として書類で管理を行います。
有限会社協和整美では、それら書類の作成も元請けに代わって対応しております。
有限会社協和整美では、集中工事に参加してきた過去の実績を評価され、この打合せに警備業者として唯一参加しNEXCO中日本への協力も行っております。
保安員講習は、集中工事の前にNEXCO中日本が主催して開催される講習会です。
一般車が時速100kmの速度で走っている高速道路では、安全性を確保する為にNEXCO中日本が定めた方法で作業することが必要です。
集中工事では長い距離の車線規制が掛かり、一般車が走れる車線が一つしかない状態となります。そのため、一般車が短い車間距離で走行してしまい、それが常態化することになってしまいます。そのような特殊な環境の中では、通常の警備業務以上に気を配る必要があります。
保安員講習は、そのような状態でも確かな警備ができ、作業員や一般車に安全を提供できる知識と技術を持った警備員であるかを確認する講習会です。したがって、一定のレベルにない警備員は集中工事に参加できないと判断されることもあります。
有限会社協和整美は、講習会における高い合格率を常に保っているだけでなく、講習会における講師を輩出するなど、集中工事における警備員として高く評価されております。
当日の業務開始前、元請けと当日の業務内容についての打合せを行います。具体的には、規制を行う場所、工事車両の台数や規制箇所へ入る場所と順番、作業内容に対する保安箇所の確認などです。こうした確認業務を行うことで、安全でスムーズな業務を実現します。
出発時には、標識車の積載物(規制資器材)がロープ等で固定されているか確認します。
重量貨物車等の追い抜きの場合を除いて走行車線を走行しますが、万が一積載物が落下した場合に、路肩に飛散して一般車の走行を妨げないようにするためです。
集中工事では、すでに規制が作られた中に自分たちが運転する標識車を入れます。そこには警備員がいませんので、平行部に立っているコーンを1本抜いて、進入する間口を広げてくれる人もいません。後続の一般車が誤進入しないように注意喚起をしてくれる警備員もいません。トラックを運転するだけですが、高い技量が必要となります。
一つの規制の中で複数の工事を行う集中工事では、一つの工事で作業できる範囲を決める必要があります。そのため、平行部の中にコーンを立てて作業箇所を仕切ります。
標識車を指定された位置に停め輪止めをし、ハンドルを一般車が走行する車線と反対側に切ります。こうすることで、仮に一般車が標識車に追突しても、標識車は一般車が走行する車線とは反対側に飛び出すことになり大事故になることを防ぎます。
標識車の周辺には、工事内容の案内看板、工事箇所である表示板や警告灯を立てます。それらは、土のうを乗せたりロープでガードレールや標識車の車体と結ぶことで飛散防止処置を施します。
工事個所の手前に、工事車両出入り口の看板を設置します。
工事車両が規制内に入る時は、走行速度が急激に下がります。工事車両の後方を走る一般車に注意を与えるため、出入り口看板の他に、100m手前に100m先工事車両出入り口という看板も設置します。
これらの看板は、土嚢を乗せるなどの飛散防止処置を施します。
工事車両出入り口看板の設置が完了した後、元請けに規制設置完了の連絡を入れます。この時、工事車両の台数や順番を再度確認します。
流入とは、工事車両を規制内に入れることを言います。警備員は黄旗(黄色い旗)を持って工事車両出入り口看板の位置に立ち、工事車両が走ってくるのを待ちます。
工事車両が見えると、平行部のコーンを1本抜いて工事車両が入りやすいようにし、次に黄旗を頭上で大きく振って工事車両入口看板の場所を教えます。
工事車両の流入後は、一般車が間違って規制内に入らないように黄旗を振って注意喚起を行い、その後抜いたコーンを戻します。
警備員は、黄旗を持って作業箇所の下流側に立ち、作業員と一般車の挙動の監視を行います。作業員は作業に夢中になるあまり規制外からに出てしまいそうになることもあり、そのような作業員には警笛を吹いて注意を与えたりします。
また、一般車の運転手は工事に見とれてしまうこともあります。走っている車両は運転手の視線の方向に向かってしまうことがあり、車両が規制内に突っ込んでくる可能性が有ります。
この場合も、警備員は警笛を吹いて規制内にいる作業員に注意を与えます。作業箇所の下流とは、走っている一般車から見て作業箇所の向こう側のことです。反対に、手前側が上流側となります。
元請けが現場で作業をしている間は、基本的に警備員は作業員の保安作業が中心になります。
しかしながら、規制資器材に飛散防止対策を施してはいても、想定外の強風や一般車の接触などで転倒したり破損することもあります。そこで、定期的に現場内を巡回し規制資器材の状況確認を行い、必要に応じて規制資器材の復旧作業も行います。
一日の作業が終わると、工事車両を規制内から離脱させます。 これを流出といい、工事車両出入り口看板の位置から工事車両を規制外へ流出させます。
警備員は平行部のコーンを1本抜いて、工事車両が流出しやすい空間を作ります。走行している一般車の間隔を見切って、黄旗を振り警笛を鳴らして工事車両の運転手に流出の合図を送ります。
この時、一般車の間隔の目安は300mとしており、これより短い間隔では流出した工事車両との追突の危険があります。
より安全に工事車両を流出させるためには、一般車の速度と間隔を正確に読み取る必要があります。
工事車両の流出後は、抜いたコーンを戻します。流出後の工事車両は走行速度が遅いため、走行する一般車に黄旗を振って注意喚起を行います。
平行部に立てたコーンを回収し、作業現場を解放します。
標識車の周りには規制資器材が多く設置してあり、撤去には長い時間がかかります。そのため工事案内の看板等を最初に回収、次にテーパー部の矢印板を回収します。
規制を行っていることを示す警告灯や表示板は、警備員が作業を行っている間の安全確保のために最後まで点灯をさせ最後に回収します。
全ての規制資器材を回収し、それら積載物をロープ等でしっかりと固定します。
全ての規制資器材を回収し現場を離れる際に、撤去完了の連絡を元請けに行います。
集中工事では、規制がかかってコーンによる平行部がある中から離脱が必要になります。現場に移動する際と同様に、警備員が一般車の走行している間隔を確認しながら合図を出してくれません。標識車の運転手と助手席の警備員が自らの目で確認し、一般車を危険にさらさないよう細心の注意を払って離脱を行います。
離脱後の走行中は、重量貨物車等の追い抜きの場合を除いて走行車線を走行します。万が一積載物が落下した場合に、路肩に飛散して一般車の走行を妨げないようにするためです。
また、積載物によって速度が上げられないため、無理な追い越しで一般車からの苦情が起きないようにするためでもあります。